先日、徳川美術館で開催中の展覧会「秋季特別展 みやびの世界「魅惑の源氏物語」」(9/22-11/4)を鑑賞してきた。
名古屋市東区にある尾張徳川家二代光友の別邸の跡地を利用した美術館。
収蔵品は尾張徳川家伝来の国宝の刀剣や源氏物語絵巻などを所蔵している。
今年のNHK大河ドラマは紫式部を題材にしているからか、大型バスの観光客もあり、平日にもかかわらず、けっこう混雑している。
紅葉はまだだが、黒門のところの大きな銀杏の木も少し色付き始めている。
美術館前の広場の秋明菊が満開できれい。
名前に菊がつくが、キク科ではなくキンポウゲ科のお花。
事前にネットで電子チケットを当日券を購入。大人1,600円。
今年3月から個人所蔵品など一部の展示を除き撮影OKに変更とのことで遠慮なく。
なお、人物を入れた記念撮影、自撮り撮影はNGとのこと。
第1展示室
黒塗紺糸威具足 明珍宗貞作 徳川慶勝(尾張家14代)着用 嘉永2年1849年
重要美術品 刀 無銘 国俊 梁川(大久保)松平家伝来 鎌倉 13世紀
重要文化財 太刀 銘 光忠 豊臣秀吉・豊臣秀頼・徳川義直(尾張徳川家初代)所持 鎌倉 13世紀
ガラス越しの撮影が難しい。
太刀と刀の違い。
短刀 銘 信長 室町 15世紀
第2展示室
紫銅向獅子香炉 大名物 武野紹鴎所用 明 15世紀
重要美術品 宴座図 藤原定家筆 福山阿部家伝来 東松家寄贈 鎌倉 13世紀
能装束 水色・茶・納戸段 秋草文唐織 江戸時代 17世紀
第5展示室
国宝 初音蒔絵乱箱 霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用 寛永16年1639年
重要文化財 藤原定家筆 安元御賀記 徳川家康所用 鎌倉 13世紀
特別展展示室
戦前額装用に改装したが、平成28年から令和2年にかけてすべて巻子装へと修復。
異母姉である宇治の中の君の屋敷に預けられた浮舟は、中の君の夫である匂宮に言い寄られ傷つく。中の君は浮舟を不憫に思い、自室に招いて女房に絵物語の詞書を読ませる。絵に見入る浮舟は、亡き姉によく似ていた。
国宝 初音蒔絵帯箱 霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用 寛永16年1639年
源氏物語第二十三帖「初音」の「年月を松にひかれてふる人に今日鶯の初音きかせよ」の和歌の文字を葦手書きにして散らされているので文字を探すのも楽しい。
国宝 胡蝶蒔絵帯箱 霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用 寛永16年1639年
重要文化財 純金葵紋蜀江文沈箱 霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用 寛永16年1639年
小箱の蓋に源氏物語の帖名をあらわされている。
純金製2,587g。
2024年10月29日現在の金1gの買い取り価格(田中貴金属工業)14,794円。
国宝 宇治香箱 霊仙院千代姫(尾張家2代光友正室)所用 寛永16年1639年
藤裏葉押絵人形 貞徳院矩姫(尾張家14代慶勝正室)作 江戸 19世紀
久しぶりの徳川美術館、撮影OKになり時代の変遷を感じますな。
来年2025年は10年に一度の現存の源氏物語絵巻をすべて公開する年回り。
混雑必須だが楽しみにしている。
<過去の徳川美術館の記事>