徳川美術館で開催中の企画展「読み継がれた源氏物語」(11/8-12/13)を鑑賞してきた。
名古屋市東区にある美術館。
尾張徳川家伝来の国宝の大名道具などが収められている。
こちらは国宝「源氏物語絵巻」を所有することでも有名。
「源氏物語絵巻」は毎年この時期に、一部だけ展示される。
平日の午後、とても空いている。
連日感染拡大の報道が増えたのが大いに影響しているのだろう。
最初の方の名品コレクション展示室はほぼ貸切状態。
目当ての源氏物語絵巻の展示室はさすがに人がいたが、係員を含めても10人に満たないかったのではないか。
いろんな角度からゆっくり丁寧に鑑賞出来る。
こんな状況下であえて出かけるのだからお一人様が多い印象。
館内は撮影不可だが、こちらはOK。
久能山東照宮博物館にあるものの複製とのこと。
久能山東照宮、一度も出かけたことがないので、ぜひ機会をみつけて出かけたい。
印象に残ったものとして、
国宝、短刀 無銘 正宗 名物 庖丁正宗 徳川家康所蔵 鎌倉時代(14世紀)
「庖丁」と名付けられた短刀。パッと見まさに「包丁」。
重要文化財、刀 折返銘 備中国住次直 徳川光友(尾張家2代)・成瀬正虎(犬山成瀬家2代)所持 南北朝時代(14世紀)
後水尾天皇和歌懐紙「関路雪」江戸時代(17世紀)
天皇(後水尾天皇(1596-1680年、中宮は徳川和子)、後西天皇(1638-1685年後水尾天皇の第八皇子))の品々がさりげなく展示されている。
後水尾天皇の書は全く読めなかったが、文字の間合い、余白の取り方が余裕を感じさせる。
三大字「懐明徳」 徳川綱吉(5代将軍)筆 江戸時代(17-18世紀)
とても読みやすい字体。
字で性格がわかるとしたら、とてもやさしい心持ちの人ではなかったのかと推察してしまう。
国宝 初音の調度 修復後初公開とのことで、初音蒔絵旅香具箱、初音蒔絵見台などが
修復前の写真も添えて展示されている。
今回の企画展の見所は、
国宝 源氏物語絵巻 橋姫 十五巻の内一巻(徳川美術館蔵 平安時代 12世紀)
紫式部日記絵巻は前期と後期で展示内容が異なる。
パンフレットにもある第一段、第二段は前期、後期は第三段のみ。
紫式部日記絵巻の第三段、中宮彰子の皇子誕生の宴会の中の藤原顕光、藤原斉信、藤原実資、藤原公任などが描かれているとのこと。
正直、誰それっというぐらい勉強不足。
紫式部日記といえば、清少納言の悪口が書かれているということ程度の知識しかない。
次回鑑賞する機会があれば、事前に現代語訳を軽く読んでから出かけたい。
源氏物語絵巻の橋姫は後期のみの展示。
巻子装に改装後、初公開とのこと。
展示が少ないなという印象も残ったが、コロナ禍に開催される企画展なので、このぐらいがよいのかもしれない。
過去の記事を確認したところ、2年ぶり。 ma-mimume.hatenablog.com
源氏物語絵巻、西暦で5の年は徳川美術館、0の年は五島美術館で一挙公開が恒例となっている。
2015年に鑑賞している。
一挙公開を思い返すと、一番強い印象は行列だったり、展示室の大混雑だったりする。
当時「10年後は生きていないかもしれないから行列覚悟で来た」と軽口をたたいたいたことを思い出す。
今年は0の年なので五島美術館で予定(11/3-11/29)されていたが、コロナ禍により中止に。
本当に未来はわかりませんな。
美術館内、まだ紅葉が美しい。
当日でもローチケなどのコンビニで「前売券」が購入できる。
最初、徳川美術館で探したら見つからなかった。
窓口で購入するより200円割引でお得な上、支払にクレジットカードなどが利用できるので便利。