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徳川美術館「修復完了記念 館蔵全巻特別公開 国宝 源氏物語絵巻」

昨日、徳川美術館蓬左文庫で開催中の展覧会「修復完了記念 館蔵全巻特別公開 国宝 源氏物語絵巻」「唐絵 尾張徳川家の中国絵画」(2021年11月13日~12月12日)を鑑賞してきた。

 

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黒門(登録有形文化財)。

脇にある銀杏が午後の陽に照らされ黄金色に輝いてきれい。

 

 

国宝の源氏物語は毎年この時期に展示されているが、今年は前後期と入れ替え、所蔵のものすべて展示とのこと。

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前期11月13日~30日 蒲生・柏木一・柏木三・竹河一・橋姫・早蕨・宿木二・東屋二

後期12月1日~12日 関屋・絵合・柏木二・横笛・竹河二・宿木一・宿木三・東屋一

 

掲示板の絵は「柏木三」。

「柏木三」は前期に展示だったので、今回は鑑賞できず。

 

 

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エントランスの撮影スポット。(柏木二の一部分)

美術館内は撮影NG。

風が強い平日の午後、そこそこのお客さんで賑わっているが、愛知県の美術館らしい混雑具合。

昨年は心配になるぐらい空いていた。

コロナ禍が収束すれば、きっとこの空き具合が懐かしくなるんでしょうな。

 

こちらの収蔵物は膨大な量だと思われるので、今までに鑑賞したことがある作品が今回も展示されているとは限らない。

その中で、覚えのある作品を見つけると、なんだか昔なじみに会ったようなうれしさがある。

 

名品コレクション展示室で印象に残ったもの。

まず、国宝、重要文化財、重要美術品。

太刀(菊紋)菊一文字 徳川忠長(徳川秀忠3男)・徳川義直(尾張家初代)所持(重要文化財 鎌倉時代・13世紀)

短刀 無銘 正宗 名物 一庵正宗 横浜一庵・豊臣秀吉京極高知徳川家光(3代将軍)・井伊直孝
直興・徳川綱吉(5代将軍)・徳川吉通(尾張家4代)所持(重要文化財 鎌倉時代・14世紀)

刀 朱銘 兼氏(花押) 徳川綱誠(尾張家3代)・慶勝(同家14代)所持(重要美術品 南北朝時代・14世紀)

織部筒茶碗 銘 冬枯 岡谷家寄贈(重要文化財 桃山・江戸時代・16-17世紀)

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初音蒔絵色紙箱 霊仙院千代姫(尾張家二代光友正室)所有(国宝 江戸時代・寛永16年1639年)

 

それ以外では、

和歌懐紙 後水尾天皇筆(江戸時代・17世紀)

茶杓 伝千利休作 大徳寺三玄院伝来(桃山時代・16世紀)

和泉式部続集切「はかなしと」 伝藤原行成筆(平安時代・11世紀)

薩摩太鼓形水指 (江戸時代・18世紀)

黄天目 松平義真(梁川松平家3代)所持(南宋-元・13-14世紀)

水色・茶・納戸段秋草文唐織(江戸時代・17世紀)

白地落葉に紅葉折枝文縫箔(江戸時代・18世紀)

菊折枝蒔絵 乗物・日傘・挟箱・蓑箱・茶弁当 俊恭院福君(尾張家11代斉温継室)所用(江戸時代・19世紀)

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源氏物語抜書 早蕨 尊円法親王筆 (南北朝時代・14世紀)

源氏物語抜書 須磨 伝後伏見天皇筆(鎌倉時代・13-14世紀)

 

などなど。

源氏物語絵巻にちなんでいると思われる展示も多く、興味深い。

 

蓬左文庫の展示室でも、

まずは重要文化財

瀟湘八景 遠浦帰帆図 玉澗筆・同賛 名物 室町将軍家(足利義満・義教・義政)・宗長・今川義元北条氏直豊臣秀吉徳川家康徳川義直(尾張家初代)所用(重要文化財 南宋・13世紀)

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布袋図・朝陽・対月図 三幅対 名物 布袋図: 伝胡直夫筆・偃溪廣聞賛 朝陽・対月図: 伝牧谿筆(無住子筆)・同賛 室町将軍家(足利義満)・豊国社・徳川家康徳川義直 (尾張家初代)所用 ( 南宋・13世紀)

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龍図: 伝陳容筆 徳川家康徳川義直(尾張家初代)所用(重要文化財 元・明あるいは高麗-朝鮮王朝・14-15世紀)

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柳燕図 伝牧谿徳川綱吉(5代将軍)・徳川光友(尾張家2代)所用(重要文化財 南宋-元・13世紀)

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重要美術品も何点かあったが、印象が曖昧。

 

歴史上の天下人から天下人へと伝えられたものが現代まで失われなくこうして目の前にあると思うと感慨深い。

その天下人もこの絵を愛でたのだろうかと想像するのも楽しい。

 

龍図はとても大きくてインパクトがある。

前期の展示には対になる虎図もあったよう。並べて鑑賞してみたかった。

来年は寅年ですな。

 

花鳥図屏風 孫億筆 六曲一双の内 左隻 徳川将軍家伝来 聖聡院従姫(九代宗睦嫡子治行正室)所用 (清・康煕45年(1706))

18世紀の作品だからか色鮮やかで華やか。女性好みだと思う。


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源氏物語の前に、

葉月物語絵巻 第六段 詞書 伝後二条天皇筆(重要文化財 鎌倉-南北朝時代・14世紀)

葉月物語絵巻 第六段 絵 (重要文化財 平安時代・12世紀)

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現代で言うところの二次創作なんでしょうな。

 

 

最後の最後に、絵巻物に仕立て戻された国宝源氏物語絵巻

それほど混雑していないので、タイミングを見計らえばひとつの絵巻物を独り占めできる。

全体の様子がわかりとてもよい。

詞書とセットとして眺めるとなるほど本来の美しさはこういったものだったのかとよくわかる。

書風は5種類(徳川美術館所蔵は4種類)が混在しているとのこと。

不勉強なので詞書は全く読めないが、朗々と流れる書体や余白の間合いが美しい。

次回出かける時は、詞書を予習して文字の美しさをもっと愛でたい。

 



徳川園の紅葉がとてもきれい。

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門のところからチラ見。

 

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<過去に出かけた国宝源氏物語絵巻の記事>

ma-mimume.hatenablog.com

ma-mimume.hatenablog.com

ma-mimume.hatenablog.com

 

名古屋駅からなごや観光ルートバス「メーグル」を利用。

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平日の昼間は1時間に1本、夕方は2本。

名古屋駅から乗り込むお客さんでほぼ満席になっていた。

ノリタケの森や名古屋城で降りるお客さんも多かった印象。