先日の国立新美術館「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」(2022年2月9日~5月30日)を鑑賞。
大阪展(2021年11月~2022年1月)があったが、出かけ損なってしまったので意を決して東京展へ。
国立新美術館は初めて。
駅と直結している。
こちらは金曜日と土曜日は夜20時迄開館。
前日に日時指定券を購入。
入館は30分ごとに区切られている。
30分以上前に到着。
入り口近くのベンチで座って時間をやり過ごす。
金曜日の夕方、先日出かけた名古屋市美術館のゴッホ展より混雑していない印象。
会期が約4ヶ月近くありちょうど半ば頃だったし、お天気に恵まれてちょうど桜の見納めの週末だったのもよかったのか。
東京の美術館はいつも混み混みという印象だったが、予想よりゆったり鑑賞できた。
国立新美術館は建築家の黒川紀章氏(1934-2007)の設計。
日本で5館目の国立美術館として、2007年(平成19年)に開館とのこと。
延床面積は日本最大とのこと。
作品の配置もゆったりとされていて、とてもよかった。
展示室の部屋が不思議な配置だった。
よく出かける名古屋市美術館(1988年)も黒川紀章氏の設計だが、印象が全く異なる。
音声ガイドナビゲーター(600円)は俳優の佐々木蔵之介さん。
約30分21作品をナビゲート。
低音で聞きやすい声色でよいですな。
1870年に創立されたアメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館は、先史時代から現代まで、5000年以上にわたる世界各地の文化遺産を包括的に所蔵しています。同館を構成する17部門のうち、ヨーロッパ絵画部門に属する約2500点の所蔵品から選りすぐられた珠玉の名画65点(うち46点は日本初公開)を時代順に3章構成でご紹介します。メトロポリタン美術館が誇る至高の名画を、ぜひご堪能ください。 ~ちらしより~
ちらしには全展示作品が掲載されている。
これはよい。
日本初公開の46点を含む美術館の顔とも言える作品が来日したのはメトロポリタン美術館がただ今改装中だからだそう。
ありがたい。
西洋絵画の歴史を掻い摘まんだようなラインナップがすばらしい。
今回の展示品で特に気に入った作品は5点。
ルカス・クラーナハ(父)「パリスの審判」1528年頃
カラヴァッジョ(本名ミケランジェロ・メリージ)「音楽家たち」1597年
フランソワ・ブーシェ「ヴィーナスの化粧」1751年
エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン「ラ・シャトル伯爵夫人」1789年
フィンセント・ファン・ゴッホ「花咲く果樹園」1888年
ルカス・クラーナハ(父)「パリスの審判」1528年頃
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/436037?ft=Lucas+Cranach&offset=0&rpp=40&pos=5
国立西洋美術館に所蔵されているユディトを描いた作品が印象深く、怖い絵を描く画家という印象もあったが、この三美神はよいですな。
カラヴァッジョ(本名ミケランジェロ・メリージ)「音楽家たち」1597年
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/435844?ft=Caravaggio&offset=0&rpp=40&pos=2
右から2番目の人物は自画像と言われているそう。
濃い美少年がなまめかしいカラヴァッジョらしさ満載の作品。
フランソワ・ブーシェ「ヴィーナスの化粧」1751年
ルイ15世の愛人のポンパドゥール夫人の依頼で作成されている。
これこそロココ、という画風が素晴しい。
エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン「ラ・シャトル伯爵夫人」1789年
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/437900?ft=Le+Brun&offset=0&rpp=40&pos=5
女性の好きをわかっているル・ブランはよい。
額もとてもかわいい。
この絵の女性は父親が亡くなったので年の離れた伯爵と結婚したが、結婚前からの恋人がいて、この絵はその恋人に贈ったとの逸話付き。
フランス革命の年に作成されていると思うと感慨深い。
フィンセント・ファン・ゴッホ「花咲く果樹園」1888年
https://www.metmuseum.org/art/collection/search/436527?ft=Gogh&offset=0&rpp=40&pos=21
先日、名古屋市美術館で鑑賞した「ゴッホ展」で気に入った「草地の木の幹」と印象が重なる。
こうして比べてみると、ゴッホ展(クレラー・ミュラー美術館蔵)の方が好み。
展示最後の壁面投影は撮影OKとのことで遠慮なく。
フラ・アンジェリコ(本名グイド・ディ・ピエトロ)「キリストの磔刑」1420-23年
ルカス・クラーナハ(父)「パリスの審判」1528年頃
ヨハネス・フェルメール「信仰の寓意」1670-72年
アントワーヌ・ヴァトー「メズタン」1718-20年
フランソワ・ブーシェ「ヴィーナスの化粧」1751年
エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン「ラ・シャトル伯爵夫人」1789年
クロード・モネ「睡蓮」1916-19年
1時間半ぐらい滞在して岐路に。