入り口付近はクチナシの芳香が漂よっている。
日本メナード化粧品創業者の野々川大介・美寿子夫妻の美術コレクションを中心として収蔵作品は1,400点以上ある。
ただ今開催中の展覧会は「所蔵企画展 花 -Beautiful Flowers in the MENARD ART MUSEUM-」
「所蔵企画展 花」では、当館コレクションから花を表した作品を選び、およそ65点をご紹介します。飾ったり育てたりすることで、人の暮らしを活き活きと輝かせてくれる花。装身具や調度品といった身近なものにも、花の模様がよく使われています。芸術家らにとって、美しい花々は格好の素材であり、多くの美術作品が生まれました。
本展では、咲き競う美しい花々に囲まれ、心なごむひとときを皆様にお届けいたします。
すばらしい作品ばかりだが、特に印象に残ったものとして、
作者の庭にある紅・白・斑入りの三通りの花を付ける「蜀紅錦」という椿なんだそう。
以前出かけたときに、別の作品「白椿」1977年にもとても惹かれたが、こちらもまたよい。
熊谷守一(1880-1977)「小菊」1956年作。
「薔薇」・「白牡丹」・「千日草」・「むくげ」・「扶桑」・「為朝百合」の作品と併せて、絶妙な配置で展示されており、作者の庭の中を覗いているよう。
中でも「小菊」は脳卒中で倒れた翌年の作品とのことで病直後の心理状態もあるのだろうか、暗い背景に浮かび上がるような紫色の小菊が印象的。
他の作品のサインはカタカナだがこの作品だけ漢字で記されている。
加藤土師萌(1900-1968) 「指描燕子花文飾皿」
作品名にペルシャとあるだけで、和風の牡丹が砂漠の中に生けられているかのよう。
この作品を拝見して、杉本健吉美術館にも足を運びたくなった。
ほとんどの作品に作者や制作時期などの解説があり、とても勉強になる。
敷地内にある別館アネックスでは、ワークショップ 「アートな花瓶にどんな花を生けよう!」に参加できる。
この展示作品の器が印刷されたものに思い思いの花を描くというもの。
ちょうど誰もいなかったので遠慮なく。
器は3種類あるが、こちらの河井寛次郎(1890-1966)「呉洲辰砂花角壺」1952年作を選択。
以前、徳川園で撮影したボタンをモデルに描いてみる。
ん~。。。
すばらしい牡丹の絵をたくさん眺めた後でアレだが、まぁ久しぶりのお絵かきはとても楽しかった。
明日以降、この中の仲間にしていただけるよう。