昨日、名古屋市美術館で開催中の「ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ」(4/10-6/6)を鑑賞。
平日のお昼過ぎ、出向いたときは小雨になっていたが、午前中は土砂降り。
天候が悪いので、たぶん空いているのではと目論んだ。
緊急事態宣言中なので出かけるのに躊躇していたが、そもそも県内の美術館や博物館、平日はだいたい混雑とは無縁の場合が多い。
館内は静かに行動するし、何かを触ったりすることもまずない。
この感覚で東京や関西の人気の展覧会に出向くとまずチケット売場の行列でびっくりする。
チケットは平日限定券と土日祝日・日時指定券で価格が異なる。
休日は空きがある場合、当日券の販売もあるよう。
平日限定券は日時指定なし、事前購入する特典(割引)もないので、出かける直前にコンビニで購入。
音声ガイドはなかった。
エントランスには撮影スポット。
右、ジャン・バティスト・カミーユ・コロー「イタリアのダンス」1865-70年
室内はざっと見渡したところ10人前後の人出。
人の動向に気を取られることもなく、自分のペースで鑑賞出来る。
フランス北東部の古都、ランス。歴代国王の戴冠式が行われた歴史とともに、シャンパンの産地としても有名です。ランス市と名古屋市は2017年に姉妹都市提携を結び、当館とも縁の深い藤田嗣治などの名品をご紹介する「ランス美術館展」を開催しました。本展覧会では、再び同館の名画が来日。ランス市が誇る至高の風景画コレクションを中心にご紹介します。
戸外制作を行ったバルビゾン派の画家たちや、“空の王者”と賞賛されたウジェーヌ・ブーダン、そしてモネ、ルノワール、ピサロら印象派の選び抜かれた作品が来日します。なかでも注目は、木立や水辺を繊細かつ詩情豊かに描き出した作品で現在も高い人気を誇る、カミーユ・コロー。今回はコローの油彩画の傑作16点をまとめてご覧いただける、名古屋では初めてのたいへん貴重な機会です。アトリエを飛び出し自然の光や大気の変化を捉えようとした画家たちによる、19世紀フランス風景画の展開をご堪能ください。 ~ちらしより~
以前「ランス美術館展」を鑑賞し、とてもすばらしかった記憶がある。
名古屋市と姉妹都市提携をしたご縁でまた類似の展覧会が開催されるのを楽しみにしていた。
今回は74点の展示。割りと少なめな印象。
コローと19世紀風景画の先駆者たち、バルビゾン派、画家=版画家の誕生、ウジューヌ・ブータン、印象派の展開の5つのパートにわかれて展示されている。
ほぼ19世紀の作品で、概ね時系列に展示されている。
一目の作品は壁の色が変えてあるので、わかりやすい。
特に気に入った作品として、
ジャン・バティスト・カミーユ・コロー(1796-1875)「イタリアのダンス」1865-70年
この展覧会のポスターなどにも使われている作品。
ジャン・バティスト・カミーユ・コロー「アルバーノ湖の思い出」1865-70年
晩年に若い頃旅したイタリアを思い出して描いた作品とのこと。
懐かしい風景は美化されて記憶に残る。
ジャン・バティスト・カミーユ・コロー「湖畔の木々の下のふたりの姉妹」1865-70年
以前、国立西洋美術館で鑑賞した「ナポリの思い出」1870-72年を思い出させる。
ウジェーヌ・ブーダン(1824-1898年)「トルーヴィルの浜辺」という作品も
国立西洋美術館蔵の作品「トルーヴィルの浜」1867年を思い起こす。
テオドール・ルソー(1812-1867)「沼」1842-43年
写真で見ると明るく感じるが、館内で鑑賞したときは空以外はもっと暗く、民族衣装の女性が印象的な作品。
ピエール・オーギュスト・ルノワール(1841-1919)「風景」1890年頃
ルノワールの円熟期らしい赤身がかかった色合いの作品。
クロード・モネ(1840-1926)「ベリールの岩礁」1886年
モネらしい色使いの作品。
こちらも実際に鑑賞した時はもっと陰影が深く感じた。
カミーユ・ピサロ(1830-1903)「ルーヴル美術館」1902年
シテ島からの眺めだろうか。
この作品を鑑賞して、ルーヴル美術館に出かけたくなった。
ランス美術館はシャンパンメーカーの経営者として財をなしたアンリ・ヴァニエ(1832-1907)氏亡き後、コレクションがランス市に遺贈され、そのコレクションを元に開館したとのこと。
国立西洋美術館の大元になる松方コレクションは、実業家の松方幸次郎が1910年代から1920年代(大正初期から昭和初期)に蒐集したものとのことなので、年代的に同時代か少し後年の作品にあたるんですかな。
国立西洋美術館にもまた出かけたいと思っていたら、施設整備のため2020年10月から2022年春まで休館になっていた。
ただ今、常設展はお休みで別の展覧会(別料金)の会場になっていた。