愛知県陶磁美術館で開催中の展覧会「海を渡った古伊万里 ~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~」を鑑賞してきた。
モリコロパークの近く。
旧名称は愛知県陶磁資料館。
2013年(平成25年)に変更とのこと。
その名残で、最寄駅はリニモ「陶磁資料館南」。
敷地がとても広く、メインの本館以外に南館、西館、陶芸館、古窯館などある。
ゴールデンウィークのまっただ中だが、午後遅めの時間帯だったためか混雑はなし。
展示室も広いので余裕でソーシャルディスタンスがとれる混雑具合。
場所によっては独り占めして鑑賞出来る。
特別展の「海を渡った古伊万里 ~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~」は本館で開催中。
オーストリア、ウィーン郊外にたたずむ古城ロースドルフ城には、日本の古伊万里を中心とした陶磁器が多数所蔵され、かつてそれらは調度品として城内を美しく飾っていました。
ところが、第二次世界大戦終結直後の混乱期であった1945年に、コレクションの多くが破壊されてしまったのです。城主であるピアッティ家は、城内に残された大量の破片を廃棄するのではなく、現在まで大切に保管し、平和への祈りを込めて一般公開してきました。
本展では、国内にある古伊万里の名品とともに、破片を含むロースドルフ城の陶磁コレクションを日本初公開いたします。さらには、日本における最新の修復技術により破片を修復した作品を展示し、波乱に満ちたロースドルフ城コレクションの全貌を明らかにします。 ~ちらしより~
最初に部分修復された透かし彫りの入った瓶。
有田 色絵唐獅子牡丹文亀甲透彫瓶(部分修復)(1700-30年代 ロースドルフ城)
壊れている様子が痛々しいが、修復具合がよくわかる。
前半は主に佐賀県率九州陶磁文化館、今右衛門古陶磁美術館、大倉集古館などの陶磁器。
後半はロースドルフ城コレクションの修復したもの、破片のままのものなどいろいろ。
破片をモチーフにしたインスタレーションが印象的。
修復した大皿、面から見ると修復したものと思えない美しさだが、裏側からみると破片だったことがよくわかる。
修復技術の素晴らしさを目の当たりにできる。
常設展も鑑賞。
常設展は撮影OK。(フラッシュ、三脚、一脚を利用した撮影はNG)遠慮なく。
本館2階「日本と世界のやきもの」。
閉館時間まで残り30分になってしまったので、さらっと鑑賞。
本多静雄氏寄贈。
渥美窯 灰釉芦鷺文三耳壺(重要文化財 平安時代末期 12世紀)
(財)松永記念館寄贈。
個人蔵。
瀬戸窯 鉄釉巴紋瓶子(重要美術品 鎌倉時代 14世紀)
中国 三彩駱駝(唐時代 8世紀)
高さ80cmと大きいのでとてもインパクトがある。
中国 白磁龍耳瓶(唐時代 7-8世紀)
加藤舜陶氏寄贈。
中国の古い時代の動物を模ったものは、魔力がある気がしてしまう。
動き出しそう。
中国 緑釉生命樹(後漢 1-2世紀)
以前、愛知県美術館の展覧会で鑑賞した記憶がある。
茂木計一郎氏寄贈。
目力がある。
不思議の国のアリスに出てくるウサギを連想してしまう。
西垣千代子氏寄贈。
目があるものはやっぱり印象深いので足を止めてしまう。
寄贈品も多いですな。
こうして鑑賞出来ることはありがたい。
閉館時間になってしまい退散。
本館地下や南館や西館には近寄ることもできず時間切れ。
また機会を見つけて出かけてみたい。
駐車場に戻る途中にこちらに寄り道。
屋外展示の復元古窯。
3種類ある。
時代が下るにつれ、だんだん立体的になっている様がよくわかる。